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聊城大学日本語学科で講演
河野理事長、「日本語」を語る


講演する河野理事長

地球文化交流会の河野喜一理事長は5月20日、中国山東省の聊城大学を訪ね、同大学の日本語学科の生徒200人を前に、「日本語の発音」と題して講演しました。同大学名誉教授でもある理事長の講演は1999年から継続して行われております。

 河野理事長は「日本人も知らない日本語の話をしましょう」と切り出し、「言霊という言葉がある。霊がなくなると人間は生きられないように言葉にも霊がある。日本語は母音と子音があるが、お母さんがいなければ、子供が生まれないように、k、sのような子音単独では存在しません」と語りました。

 そのうえで、すべての始まりを意味する「あ」は、「光」、「え」は「開く」、「い」は「集める」、「呼びかけ」の「お」、「終わり」を表す「う」と、母音がもつ、一つひとつの意味ついて語りました。

 最後に、「あ」から始まり、「う」で終わるのを、手をいっぱいに広げて、最後は、「母との絆である臍」で終わる、その動きを体全体で表現、生徒に“伝授”していました(写真上)。

 講演後、質疑応答が行われ、日本の敬語の難しさや茶道を学ぶ姿勢などの質問が出ました。質問に答える中で、理事長は、先頃自身が著した古事記について言及。「古事記には、地球や人間がどこにいくのか、世の中はどうあるべきか、などが書かれているが、今でなければ解けない内容がちりばめられている」と語りました。

文化は民族の花

地球文化交流会理事長 河野 喜一

 日本の文化は日本民族の花であるし世界各国の文化は又 それぞれの民族の花であろう。
 花は咲いたり知ったり実を付けたり さまざまな姿を見せる。
 民族の花 文化にも栄枯盛衰があると思う。
 私は今 日本文化の粋である日本建築家屋に誇りを持ち この文化を世界中へ広げたいと思っている。
 取り分け 京都の北山杉を以て造る 数寄屋造り はこの国の 心・精神 を純粋に表現している。
 山を愛し 杉を慈しみ ひたすら成長に情熱を注ぐ山の人々の姿 それは 真実 日本の文化遺産と思う。
 急斜面の山。
 岩石重畳の山。
 栄養は清らかな水だけ。
 伸びてゆく杉の枝を下から次々に落してゆく労力は杉の木を太らせることなく常にその身をうちに内にと引き締め 強靱な幹を造り上げる。
 やがて成木 用材 その時 北山の瀧から流水と共に落ちてくる砂を採って杉を磨き上げる。
 こうして世に出る一本一本の杉が人の幸福を願って家屋になる 家屋に成ることを切望している。
 ここに日本の心があるのならこの心を世界中へ持ってゆきたい。
 私は日本の神道を大切にする一人だが神社だけが神道であるとは思わない。
 この国の山河草木悉くが神を物語る それが日本の国柄と思う。
 菊の花が咲く頃 日本古来の菊の香りは本当に豊かに香り立つが外国渡来の花にこの香りがないのは この国の花が神を物語る民族の一員なるが故であろう。
 菊の花さえ この国の民族に香り立つのにくらべて 今 この国の人々はいささか省みて恥づべきでありましょう。

2005年7月26日記

地球文化交流会、同大学奨学金制度を支援

 講演に先立ち、河野理事長は、宋益喬学院長と会談。そのなかで宋学院長から、地球文化交流会に奨学金制度への協力要請がありました。これを受けて、事務局は6月、聊城大学を訪問、正式に同大学との間で奨学金制度を支援して行くことで一致、調印書を交わしました。